音楽ではなく、それ以外の「音」による対位法

 

劇作品と音楽との対位法
という記事では、
あえて「映像とは異なること」を ”音楽” で表現するケースを取り上げました。
一方、
「音楽ではなく、それ以外の ”音” による対位法」
も時々聴かれます。

例えば、
鈴木清順監督映画「影なき声」(1958年)
より、前半の一場面。
夫が容疑をかけられ、考え悩んでいるかのように歩いている小谷朝子(南田洋子)。
そのかたわらでは
ちょうどお祭りがおこなわれています。
御神輿をかつぐ大勢の男性が「わっしょい」と声をあげており、
この音声が小谷朝子の様子と対位的。
主役がどんな状況に置かれていても
社会の周りの状況は関係なく日常的だということなのでしょうか。

この例では
御神輿が大胆に映し出されるので
音声面ではもちろん
映像面としても
主役の様子と対照的な表現がとられています。

 


 

鈴木清順監督映画「影なき声」(1958年)は
2022年現在、「Amazon Prime Video」で観ることができます。
(視聴時期によっては、配信終了している可能性もあります。)

» Amazon Prime Video「30日間の無料体験」はこちら

 

◉ 影なき声