ほぼ同じ音楽が使われた、東洋的なアプローチによるOPとED

 

今回は、
左幸子監督映画「遠い一本の道」(1977年)
を題材に
「ほぼ同じ音楽が使われたOPとED」について
取り上げていきます。

この映画では
オープニング音楽とエンディング音楽に
ほぼ同様のものが使用されています。
細部を聴いてみると
少しだけ変化しており、
それがもっとも明らかにわかるのは「曲の長さ」の面。

オープニング音楽では途中で楽曲が終わり、
(フェードアウトではなく、おそらくそういう楽譜になっているはず)
エンディング音楽では数秒長く使われます。

「ほぼ同様の音楽だけれども、エンディング音楽においては数秒長く使われた」
というこの音楽演出によって、
映画全体のバランスは整ったものとなりました。
例えば、音楽作品で考えてみると
序奏よりもエンディングを長くしたほうが
たいてい楽曲全体のバランスは良いものとなる。
序奏ばかりが長大だと
文字通り「頭でっかち」ですよね。

また、
これらのオープニング音楽とエンディング音楽は
雑音がたっぷり含まれた尺八の強いひと吹きから始まる
非常に東洋的な色合いが強いものです。
日本における持続というのは
「円環的で繰り返すもの」だという考え方があり、
OPとEDでほぼ同じ音楽を使うことと
この部分に関連性を持たせているのかもしれません。

 


 

左幸子監督映画「遠い一本の道」(1977年)は
2023年現在、「Amazon Prime Video」で観ることができます。
(視聴時期によっては、配信終了している可能性もあります。)

» Amazon Prime Video「30日間の無料体験」はこちら

 

2023年現在、「U-NEXT(ユーネクスト)」でも観ることができます。
(視聴時期によっては、配信終了している可能性もあります。)

 

◉ 遠い一本の道 [DVD]