映画、単発アニメ、単発テレビドラマの背景音楽で主流の方法として、
という方法があります。
この方法は「フィルムスコア(リング)」などと呼ばれます。
一方、
出来上がった映像を想像して作曲していき、あらかじめそれらの楽曲をまとめて収録する」
という方法もあり、
この方法は「溜め録り(ためどり)」などと呼ばれます。
溜め録りのスタイルでは
あらかじめ膨大に作曲した楽曲から適宜映像に合わせて専門家が選曲するため、
結果として、
致し方なく音楽の切れ方やつなぎ方が無理矢理になってしまうことも。
更には、実際の現場でのプロジェクトにおいて無難な曲を書いてしまったり、
後になってからどうしても映像に合う曲が見つからなくて
「商業用映像音楽集」などから抜粋せざるを得なくなってしまう
といったケースもあったりと
言ってしまえば弊害もあります。
元々は、
連続テレビドラマなどの音楽でも
毎週「打ち合わせ・作曲・録音」をするのが通常でしたが、
その後、コスト・ダウンとしての期待をもとに
1970年代中盤あたりから溜め録りのスタイルが始まりました。
映画会社の業務の一つに「テレビ映画の協力制作」がありますが、
元々は、このような業務を受け持っていた映画会社が始めたスタイル
だと言われています。
溜め録りで行われるプロジェクトとそうでないものの分類としては、
大きく捉えると次のようになります。
例 : 映画、単発アニメ、単発テレビドラマ
例 : 連続アニメ、連続テレビドラマ、※帯ドラマ(これも一種の連続もの)
※「帯ドラマ」
週に何日か決まった時間に帯枠で放送されるドラマ。
「朝ドラ」や「旧昼ドラ」などが該当する。
先ほど、
と書きましたが、
「近年の映像音楽では、
メロディが目立つ作品よりも
リズムが主体になった楽曲が多く聴かれるようになってきた」
ということと少なからず関連しているはずです。
メロディが主体の音楽では、
「動機・小楽節・大楽節」などを元とした
”メロディが持つ長さの単位” があるので、
選曲の際に音楽を切ってしまうことにより
聴感上ギクシャクしてしまう可能性が高い。
一方、
リズム主体の音楽では
リズム自体を抜き差しできることを前提に作られている作品も多いため
音楽を切ることによる不自然感が比較的出てきにくいんです。