本記事は以前に「リアルサウンド」で執筆した自身の原稿をもとにしています。
テレビ放映の映像作品だと、
家事をしながら視聴したり、家庭環境の影響でわずかな音量で視聴したり、
さらには、
子供が同じ部屋で騒いでいる状況の中で視聴するなどといった可能性も考えられます。
映像の音楽を含めた「音全般」は、
これらの状況を考慮に入れたものを作ることが必要とされており、
その点を踏まえて聴くと、
視聴者が映像作品を観る環境の違いが
「音全般」の製作段階に影響を与えていることがわかるはずです。
映画は、DVDやブルーレイでない限り、
視聴する場所が映画館という「静かな環境」です。
一方、テレビ放映の子供向けアニメーションは、
リビングなどの空間で視聴され
「静かな空間で集中して観る」という状況にならないことが多い。
この理由によって、
テレビ放映の映像作品は
「大げさな劇音楽や効果音が多く要求される」傾向があると考えられます。
特に「テレビ放映のアニメーション」は
大げさな音楽や効果音が多く必要とされたり、
説明的な音楽が求められるといった傾向がより強くなっています。
参考記事 :「アニメーションにおける音楽の傾向」