今は採られることがかなり少なくなった収録方法ですが、
20世紀後半に行われていた
ラジオドラマ(音声ドラマ)の収録方法について触れておきます。
僕自身は世代的に以下の収録方法は経験したことがありません。
先輩作曲家が楽しそうに語ってくれました。
その収録方法とは
「セリフと音楽の同時収録」です。
【収録方法】
打ち合わせ時にディレクターが台本を読みながらストップウォッチで時間をはかり、
その長さに合わせて作曲する。
↓
実際の収録では、
作曲されたその音楽をスタジオで演奏しながら、同時に演者にセリフを読んでもらう。
そして、それらを同時収録する。
打ち合わせ時にディレクターが台本を読みながらストップウォッチで時間をはかり、
その長さに合わせて作曲する。
↓
実際の収録では、
作曲されたその音楽をスタジオで演奏しながら、同時に演者にセリフを読んでもらう。
そして、それらを同時収録する。
この収録方法の場合、
音楽の収録とセリフの収録を別日に分ける必要がないので
レコーディング自体は1回で済みます。
一方、ディレクターの読む “仮の速度” が音楽の長さを決めることになるので、
実際の演者が読む速度と差がありすぎると
収録時に「音楽の尺が長い、短い」などといったことが起こります。
この収録方法には、
とある演者は
「音楽を聴きながらだとセリフが間延びしてしまうこともあった」
別の演者は
「この収録方法自体を嫌がった」
などとさまざまなエピソードが残っています。
ちなみに、
ラジオドラマだけでなく通常のテレビドラマでも
「セリフと音楽の同時収録」が行われることはありました。