アニメーションにおける音楽演出の傾向

 

「TVアニメーション」「アニメーション映画」「Webアニメーション」
などで使用される劇音楽にはある傾向があります。
例えば、以下のような内容。

◉ 実写に比べると音楽や効果音が多くなる傾向がある
◉ 音楽演出上、「説明的な音楽」を入れることが多い        etc…

この理由は、
「アニメーションは映像そのものから得ることができる情報が実写に比べると少ない」
ということから来ています。
実施の人間が演じている映像作品の場合、
人間の表情などに微妙なニュアンスが感じ取れます。
したがって、「瞬き」ですら表現になり、
極論、音声が全くなくても観れてしまいます。

【補足】
役者さんたちの多くは、瞬きをある程度我慢しているとのこと。
通常の状態だと映像に映った時に瞬きの回数が多く観えてしまうのだそうです。
映像作品を観ていると、
「自然な瞬きをする役者」
「しちゃった、という感じで瞬きする役者」
2者の違いは我々にもはっきり伝わってくるものです。
しかし、
アニメーションによる人物からは、
実際の人物から感じ取れるほどの情報量はありません。
少なくても現在では
表情などの微妙なニュアンスの表現に限界があるので当然のことではあります。
そこで、音楽や効果音で表現の補佐をすることになります。
それに「大げさな効果音」をつける演出も多くなります。
(もちろん、これには作品の内容からくる演出も関連します。)
アニメーションでは実写よりも更に自由にCGを使った表現ができますし、
本ジャーナルで書いたことが欠点というわけではありません。
あくまで「表現形態が違う」ということが重要で、
それが音楽演出に影響を与えることを知っておくと
アニメーション作品をより深く楽しめるはずです。