映画を観ていたら、
「音楽を使わずにピアノの音を感じさせる音楽演出」
を見つけました。
ここで言っているのは、
「音楽が鳴っている」
「音楽が鳴っていた」
という感覚を感じさせるような演出のことです。
具体例を、
市川崑監督映画「黒い十人の女」(1961年)
から挙げます。
映画のラスト間際に次のような箇所があります。
「市子(映画の設定上の新劇女優)が引退する際の送別会シーン。
ピアノからピアノ奏者らしき人物が立ち上がるカットで始まり、
まもなく送別会閉会の言葉に移る。」
ピアノからピアノ奏者らしき人物が立ち上がるカットで始まり、
まもなく送別会閉会の言葉に移る。」
このシーンでは
それまでの送別会の内容は映されていないので、
実際にピアノ演奏を確認したわけではありません。
しかし、
ピアノからピアノ奏者らしき人物が立ち上がるカットを観たときに、
映画観客の中にピアノの音が想像されます。
この「音楽を使わずに音楽を感じさせる」という演出を
”意図的に” おこなっているはずです。
もちろん詳細は明らかにされていませんが、
ラスト間際に間延びさせずにシンプルにまとめる意図などで
このような演出をとったのかもしれません。
【補足】
ちなみに、
音に関する類似した演出があります。
印象的な音や音楽が鳴った直後は、
音自体が消えていても
観客の心の中にはその音が残っています。
この効果を使用する演出もあり、
広義での「音楽を使わずに音楽を感じさせる演出」
と言えるでしょう。
ちなみに、
音に関する類似した演出があります。
印象的な音や音楽が鳴った直後は、
音自体が消えていても
観客の心の中にはその音が残っています。
この効果を使用する演出もあり、
広義での「音楽を使わずに音楽を感じさせる演出」
と言えるでしょう。
市川崑監督映画「黒い十人の女」(1961年)は
2023年現在、「Amazon Prime Video」で観ることができます。
(視聴時期によっては、配信終了している可能性もあります。)
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