映像作品の観客が
「状況内の音(作品の中で実際に鳴っている現実音)」として把握してしまいがちな
「音楽」や「音」というものがあります。
このような要素が映像作品の中でどのように使用されているかということは
度々話題になります。
例えば「ヴァイオリンの音」でしたら
映像で「演奏シーン」を見せたりしない限りは
基本的に「状況外音楽」もしくは「状況外の音」
に聴こえます。
作品の中で実際に鳴っている音には聴こえません。
一方、
これが「鈴の音」の場合はどうでしょうか。
日頃生活していると
鈴の音を耳にすることは時々ありますよね。
そういった慣れもあり、
作品の中で鈴の音が聴こえてくると
「状況内」なのか、
それとも外的に付けられた「状況外」なのかが
分からなくなる時があります。
とりわけ「単発で出てくる場合」にはこの傾向が強くなります。
反対に「音楽の流れの中で出てくる場合」は
きちんと音楽の一部と認識できます。
この辺りは「ノイズ」に関しても言えることで、
弦楽器の特殊奏法で倍音をたくさん出すテクニックや
管楽器の特殊奏法で息の音を多く含ませるテクニックを使う場合、
それが映像の中でノイズに聴こえてしまう可能性が出てくるんです。