舞台作品の限られた音声効果

 

舞台の音声の特徴としては、
「限られた音声効果」
ということが挙げられます。
例えば、
客席があり実際に観客がその場にいるために
全くの無音にはできません。
常に何かしらの雑音がある前提で
そこに演出としての「音楽」や「音全般」が
加えられることになります。
映像作品などでも
視聴環境に雑音がある可能性はありますが、
作品そのものは
そういった面と切り離されている点が異なります。

これは音楽の内容にも多少影響があり、
舞台の音楽ではあまり音楽的に細かなことをやっても
観客には伝わらないことが多いと感じています。
以前に自身が作曲で参加した舞台劇で
「もう少し大振りの音楽の方が効果的だったかもしれない」
と感じたことがありました。
通常しっかりと聴き取れるディテール(細部)が聴こえにくいにも関わらず
なんだかゴソゴソとやっているような雰囲気だけは出てしまう。
シンプルにした方が
少なくともその作品の音楽演出としてはクリーンだったのではないか、
と感じたことがありました。

映像作品の場合は
「音声処理的に自由」です。
先日、
映画作品を題材に
屋外のシーンで環境音をミュートしている例について記事にしましたので
以下のリンクを合わせてご覧ください。

「音楽の使われ方」と「映像のリズム」