「キュー・シート(Cue Sheet)」

 

キュー・シートは、
フィルムスコア(リング)」において、
その映像作品全編における
「音楽の入りの時間と終わりの時間」
が書かれているシートです。
「求められている音楽の性格」や「ME」などの
音楽に関連のある要素については全て書かれています。

このシートは「Music Editor(ミュージック•エディター)」というポジションの人物が監督の意向を踏まえた上で作成するのが
アメリカなどでは通常ですが、
日本ではMusic Editorが参加していないプロジェクトも多くありますし、
キュー・シート自体を
「音楽メニュー表」または単に「メニュー」などと呼ぶのが通常です。

「音楽メニュー表」の例

ミュージカル映画におけるメニューの一例で、仮のものです。
項目には、
「拍子」「台本ナンバー」「ボーカルの有無」など
他の要素が加えられることもあります。

No.の項目にある「M」は「Music」の略で、
「M01」の場合は「その劇作品における第1曲目」
ということになります。
「M03A」「M03B」「M03C」とあるのは、
「演出の関係上、同系統の音楽を3つに分けている」という意味です。

【補足】
ちなみに、過去時代の音楽メニューでは、
「1m1a」などと、Mの左側にも数字が書かれているものがあります。
これは昔の名残りで、「ロール」のことです(1の場合は「ロールイチ」)。
以前はテープでフィルムは回して映画を撮影していました。
そのフィルムは数十分でしたので、
例えば2時間の映画でしたら何本もテープを使わなければいけません。
そのリールのナンバーということです。

 

備考欄には、音楽の打ち合わせなどでの要請やアイディアがまとめられています。

「三段オチ」とは、
ミュージカル映画やミュージカルの歌のシーンなどで
「邪魔が入って中断し、また繰り返す」
というのを3回おこなう演出です。
2回同じことをして、3回目にオチをつく場合、「三段オチ」と言われます。
「けつ合わせ」とは、
楽曲の途中からフェードインして
楽曲の終わりを映像の段落終わりを合わせる演出方法です。