「フィルムスコア(リング)」

 

映画、単発アニメ、単発テレビドラマの背景音楽で主流の方法として、

「映像を見ながら、そのシーンに合わせてフレーム単位で音楽の長さや展開を調整して作曲していく」

という方法があります。
この方法は「フィルムスコア(リング)」などと呼ばれます。

どのシーンにどれくらいの長さで付けるかなどを決定する作業を
Spotting session(スポッティング・セッション)
といい、
この作業を経て「Cue Sheet(キュー・シート)」が出来上がります。
そのシートをもとに作曲家は楽曲を作曲していきます。

「フィルムスコア(リング)」に対する収録方法は
溜め録り(ためどり)」などと呼ばれます。

「フィルムスコア(リング)」で行われるプロジェクトとそうでないものの分類としては、
大きく捉えると次のようになります。

◉単発ものは完成映像を見ながら作曲されることが多い
例 : 映画、単発アニメ、単発テレビドラマ
◉連続ものは溜め録りでの収録が多い
例 : 連続アニメ、連続テレビドラマ、※帯ドラマ(これも一種の連続もの)

※「帯ドラマ」
週に何日か決まった時間に帯枠で放送されるドラマ。
「朝ドラ」や「旧昼ドラ」などが該当する。

以前に僕自身が音楽で参加した連続テレビドラマでは
ほとんどの楽曲は「溜め録り」だけれども、数曲だけ映像に合わせて作曲する、
という方法で進められました。
たとえ連続テレビドラマであっても、
演出の都合でどうしても必要なシーンなどはあらかじめ映像が出来上がり、
それに合わせて後から作曲をすることもあります。