本記事は以前に「リアルサウンド」で執筆した自身の原稿をもとにしています。
同じ映像作品の背景音楽では、
テーマのメロディの一部を使って他の曲を作る
「テーマアレンジ」という手法が頻繁に用いられます。
この手法を使うことによる利点は
「1つの映像作品の中で音楽全体に統一感を出すことが出来る」
ということです。
こと映画の背景音楽では、
2つや3つだけのテーマをもとに
大半の楽曲ができているケースも多く存在します。
有名どころの具体例として、
ジュゼッペ・トルナトーレ監督映画「ニュー・シネマ・パラダイス」(1988年)の音楽は
いくつかのテーマが巧みにアレンジされて
いくつもの楽曲が出来上がっている非常に優れた例。
また、
テレビドラマの主題歌の「タイアップ」が主流になる以前は、
劇中音楽の作曲家が主題歌も作曲するケースが多くありました。
この場合は、
主題歌をメインテーマのような扱いとして
その主題歌のテーマアレンジを劇中音楽として使用することができました。
ドラマ全体に音楽面での統一感を出すことができるという点では有効でしたが、
タイアップが主流になった現在では
このような音楽制作方法によるドラマはかなり少なくなりました。
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