音楽が「溜め録り」の手法による収録ではないプロジェクトの映像作品では、
時に、音楽が映像の動きに従属するようにかなり細かく変化させて
付けられているケースがあります。
代表的な例として、ワーナー・ブラザーズ製作のアニメーション・シリーズである、
「ルーニー・テューンズ」の多くの作品は、
シーンのちょっとした変化に合わせて音楽もめまぐるしく変化するように書かれています。
「ミッキーマウシング(Mickey Mousing)」などと呼ばれます。
そのために「音楽が細切れになっている」のですが、
作品の世界観と非常にマッチしています。
しかし、もし実写作品で同じことをやってしまったら、
コントになってしまうはず。
もちろん、軽度な例はいくつもみられます。
ペニー・マーシャル監督映画「レナードの朝」(1990年)を例とします。
「オープニング・クレジット」から「子供達が映し出されるシーン」に変わる時に
音楽の雰囲気が変わります。
その後、
病により主人公の手が思うように動かない状況を観せた ”少し後” に
再び、暗みがかった音楽に変わります。
( ”少し後” に音楽が変わった理由は視覚による認識のタイムラグ。
参考記事 : 「説明的な音楽の懸念点」 )
音楽の雰囲気が変わります。
その後、
病により主人公の手が思うように動かない状況を観せた ”少し後” に
再び、暗みがかった音楽に変わります。
( ”少し後” に音楽が変わった理由は視覚による認識のタイムラグ。
参考記事 : 「説明的な音楽の懸念点」 )
目まぐるしく映像と音楽を同期させているわけではないので
やりすぎには感じず、自然な表現が生み出されています。
やりすぎには感じず、自然な表現が生み出されています。
ミッキーマウシングの手法がとられる理由としては、
「アニメーションは映像そのものから得ることができる情報が実写に比べると少ない」
という理由による部分は大きい。(参考記事 :「アニメーションにおける音楽演出の傾向」)
一方、映像表現を音楽で補佐する意図としてだけでなく、
音楽が映像の動きに従属するようにつけられることによる、
一種の「コメディ的な要素」を求めているケースもあります。
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