不気味な関連音声による伏線

 

伏線とは「その後に起こることを予めほのめかしておく」手法。
その使用例は
「映像自体の性格」とも密接に結びついているために多様です。

新藤兼人監督映画「落葉樹」(1986年)
の終盤では、
不気味な音声による伏線が演出されています。
「不吉な鳥の鳴き声」が聞こえ、
その後「少年」が家の中へ入ります。
すると、「母」が伏せっており、しばらくして亡くなってしまいます。
「不吉な鳥の鳴き声」が
その後に起こる不幸の伏線になっていることは
明らかでしょう。

【補足】
ちなみに、
アスミック社から出ている本作DVDの
「日本語字幕(解説付)」
というオプションを使用してみたところ、
不気味な鳥の鳴き声」
などと、
字幕でもニュアンスが説明されていました。
本来「伏線」の表現方法は多様ですが、
本作では他の箇所で「 “不気味ではない” 鳥の鳴き声」が多用されているため、
「ニュアンスが異なる鳥の鳴き声」
を使って伏線を表現している点はポイントと言えます。
このことにより
映画の他の箇所と関連性が出てきているからです。

 


 

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